ランナーに貧血はつきもの、と言ってもいいほど、ランニングという行為は、貧血を引き起こす可能性を秘めています。
今日は貧血が起こってしまう原因とその対策について解説します。
毎年低空飛行 筆者の白血球値
まず自分のスコアの話で恐縮ですが、今年の健康診断で、白血球の数値が基準値3500-9500のところ2900という結果となりました。ちなみに昨年は3400なので、昨年からすでに基準値を下回っていたことになります。
とはいえ全体的な評価はB。
こう書かれると”まだ大丈夫かな…”という甘えのバイアスがかかりますね…。
しかし実際に日常生活を送っていると、立ちくらみ、息切れ、めまいなどを感じる事が多く、これらの症状は、貧血によるものという自覚があります。
なぜランナーは貧血になりやすいのか
貧血になると現れる症状は以下の通りです。
なぜランナーは貧血になりやすいのでしょうか?原因は大きく分けて3つです。
着地で赤血球が壊れる
ランニングでの着地において、足の裏には体重の約3倍もの重さがかかります。このとき、血液中の赤血球が壊れてしまいます。赤血球には血液中の酸素を運搬するヘモグロビンがあるため、赤血球が壊れてヘモグロビンが減少し、貧血になります。
中日新聞でも、以下のようなイラストで説明されています。
汗や尿から鉄分が出る
ランナーは長時間のランニング中に大量の汗をかき、その汗から鉄分が排出されます。同様に、尿からも鉄分が排出される傾向にあります。この現象はランニングに限らず、スポーツをする人全般に言えることではありますが、「1時間走りっぱなし」という持久戦であるランニングは、他のスポーツに比べて貧血を招きやすいと考えられます。
こちらの論文でも、汗などから鉄分が排出されることが証明されています。
体重制限をするランナーは栄養不足になりがち
体が重いと足に負担がかかるため、ランナーは体重制限をしがちです。わたしの周りのサブスリーランナーを見ても、食事がオーバーカロリーにならないように気をつけている人が多いようです。
大迫傑選手も、昔は炭水化物を摂取することに消極的だったと聞きます。よぶんな炭水化物で太りたくない、ということのようです。
このような食事制限をするとたんぱく質も足りなくなり、ヘモグロビンを作ることができなくなります。
対策① 鉄分よりも炭水化物をたっぷり摂る
ヘモグロビンは、鉄に含まれているヘムと、たんぱく質に含まれているグロビンからできています。
「貧血」と聞くと、まずは鉄分を摂ればいいと考えがちですが、いくら鉄分があったとしても、たんぱく質が体内にないと、ヘモグロビンは作られません。
↓
体内の体たんぱく質を使ってエネルギーを作ろうとする
↓
たんぱく質が不足
↓
貧血になる
この流れを断ち切るために、エネルギー源となる炭水化物をしっかり摂取する必要があります。
対策② 鉄分を摂取する
吸収率の高いヘム鉄を摂ろう
鉄分にはヘム鉄と非ヘム鉄の2種類があります。
ヘム鉄:吸収されやすい/肉(牛、豚、鳥)、レバー、魚
非ヘム鉄:吸収されにくい/貝類、ほうれん草、ひじき、プルーン
この吸収率は、多いもので6倍も違うそうです。
日本臓器製薬のウェブサイトに、成人女性に必要な鉄分量を含む食材の情報がありました。
赤身肉に豊富に含まれていますので、おいしく摂取したいですね。
サプリメントで補う
毎日食材から摂取するのはなかなか難しいですよね。そんなときはやはりお手軽にサプリメントの力を借りたいものです。
こちらのDHCのヘム鉄のサプリメントでは、1日分のヘム鉄500mg,鉄10mgを摂取できます。

食べ合わせで吸収率アップ
東京マラソン2021のウェブサイトにはこのように書いてありました。
鉄の吸収率は体内に貯蔵されている鉄の量(貯蔵鉄量)によって異なり、貯蔵鉄が多ければ吸収率は低く、少ないと吸収率が高まります。これは生体が体内鉄の量を厳密にコントロールしている証です。鉄のうちヘム鉄の吸収率はこの貯蔵鉄量の影響だけで変化しますが、非ヘム鉄は貯蔵鉄量のみならず、食べ合わせの影響も受けます。
つまりは上記の図のように、小松菜などの、吸収率の悪い非ヘム鉄であっても、肉・魚などのたんぱく質やビタミンCを一緒に摂ることで、吸収率が上がります。
対策③ クッション性の高いシューズを履く
前述のとおり、着地時に体重の約3倍の重さが足にかかるため、クッション性の高いシューズを履くことで、着地時の衝撃を緩和することができます。
また、ランニングだけでなく、長時間のウォーキングでも赤血球は破壊されるため、ランニングもウォーキングもやりすぎないように注意が必要です。
おわりに
↓
疲れやすい
↓
練習の強度を上げられない
↓
レースで目標時間をクリアできない
という流れは、貧血のランナーに多いと聞きます。
意識的に鉄分を摂取したり、練習時間に気をつけたりしながら、血液の健康を心がけつつランニングを楽しみたいですね。
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